ブンチョウのチュンちゃんのご紹介です。
チュンちゃんは、2歳5ヵ月の女の子です。首にしこりができたとのことで来院しました。診てみると頸部に親指大のしこりができていました。かなり大きなしこりで、手術はリスクが高いことが予測されましたが、飼い主さんとの相談により手術で取り除くことになりました。
しこりは頸部の左側に大きく張り出しているため、左側からアプローチを行いました。しこりの周りを少しすつレーザーメスで剥離していくと、しこりにそ嚢と右頸静脈が癒着しているのが分かりました。まずそ嚢を傷つけないように慎重に癒着を剥がしました。しかし右頸静脈は癒着がひどく、剥がすことができまなかったため、頸静脈を切断してしこりを完全に摘出することに成功しました


退院時のチュンちゃんです。重いしこりが取れてヨカッタね

頸部のしこりができた場合、頸静脈を切断しなければならないことがあります。頸静脈は左右ありますので、片方切断しても大丈夫なことが多いです。(もちろんリスクはありますよ)切断した頸静脈は、側副路ができてきてやがて上下切断した部分が繋がります。生き物の回復力って凄いですね
[2012年2月25日(土)]