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ズグちゃん@ズグロシロハラインコ

バードドックを受けたズグロシロハラインコのズグちゃんのご紹介です。

ズグちゃんは、2歳8ヶ月の男の子です。

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今回は、Dコースを受診しました。院内検査で、特に異常は見つかりませんでした。今後も定期的に健康チェックしていきましょう
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おもちちゃん@オカメインコ

バードドックを受けたオカメインコのおもちちゃんのご紹介です。

おもちちゃんは、2歳10ヶ月の女の子です。

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今回は、Dコースを受診しました。そ嚢液検査で、細菌バランスの乱れが見つかりました。環境変化の影響の可能性がありますので、気をつけて経過を見ていきましょう
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【海外記事紹介】オウムはペットに最適か?または飼育に適さないか?

Journal of Avian Medicine and Surgeryの最新号に「オウムはペットに最適か?または飼育に適さないか?」という記事が載っていたので一部ご紹介します。テーブルディスカッションを文書化したものですが、参加者は、論文や成書を書いているような有名な先生ばかりです。意訳や省略をしていますが、どんな意見を持っているかは分かると思います。

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Dr. Clubb
オウムは、ペットとして飼育されるべきです。人々は、鳥の美しさや知性、個性に魅力を感じています。鳥は、犬と歩けない人や猫アレルギーの人、小さな部屋に住んでいる人、それでもペットとふれあいたい人にとって理想的なペットです。確かに厳しい条件が要求される鳥種を飼育するには、しっかりと要求に応える時間を取る必要があります。栄養や健康管理、エンリッチメントに気を払う必要があるでしょう。

Dr. Echols
少なくともアメリカでは、オウムはペットとして飼われるべきです。しかしながら、全ての人に適したペットというわけではありません。それは伝統的なペット(犬や猫など)とそうではないペットに対しても同じです。私たちは、野生の鳥や飛ぶ鳥をケージで飼育することを議論する一方で、動物を飼育する欲望から逃れることができません。古代よりオウムは人間の歴史の一部であり、誰かが特定のオウム類の飼育は適さないと言ったとしても、単純には止めることができません。私は、人々に正しい飼い方を伝えるために働いています。

Dr. Forbes
これは重要な質問です。これらを考えるためには、最近の傾向を見なければなりません。85%の飼い主が、初めて鳥を所有してから2年以内に、鳥を返却していると言われています。鳥の目線になって、私たちはどのように彼らの環境や飼育を考えるべきです。羽毛損傷行動(毛引き症)は、オウム類の対処行動であり、飼育や管理ができていないことを認識すべきです。私は、オウムをペットとして飼うことを禁止はしませんが、変革する必要があると思います。毛引き症になりやすい鳥種を飼うのは止めましょう。鳥をケージ内で1羽で飼うのは止めましょう。鳥を人の手で育てるのは止めましょう。私は、これが鳥にイライラを作り出す原因であると信じています。そして全ての飼い主が、鳥を飼育する前にトレーニングを受ける必要があると思います。

Dr. Hernandez
オウム類は、高度な知能を持ち、非常に社会的です。野生のオウムが孤独でいることはありません。長期間、ケージ内で1羽で飼育されることは、解剖学的にも生理学的にも精神衛生的にも100%反しています。私は休暇でコスタリカに行ったことがあります。幸いなことに、そこでたくさんのコンゴウインコの群れを見ることができました。彼らはバルサの木に留まり、そこに咲く花の蜜を飲んでいました。ビーチアーモンドを食べ、落ちたそれをアグーチ(現地の哺乳動物)が食べていました。木を登ったり降りたり、仲間とつつき合ったり、仲間をグルーミングしたり、大声で叫んだりしていました。また飛んでいる間も金切り声を上げていました。オウムたちが常に騒がしいのは、お互いにコミュニケーションを取る意味があります。私は、オウムは良いペットであるとは思いません。もし私たちが、飼い主がオウムの状態を見抜けるよう教育でき、禽舎内の群れの中で飛ぶことができ、擬人化せず、餌をくれる人との対話を自由に選択して過ごせるなら、私はオウムをペットとして飼うことに賛成します。

Dr. Hooimeijer
私たちは、家畜化されていない動物をペットとして飼うことは、熟慮しなければなりません。数千年の過程を経て家畜化された動物(犬や猫、ウサギなど)がたくさんいます。私たちは、コンパニオンアニマルとして飼育するための目的と目標を持って、もはや野生動物ではなくなった動物を作り出していきました。ペットとして飼育されている家畜化された動物は、捕らわれた状態で生活することはありません。家畜化されていない動物は、捕らわれた状態で生活しています。オウムは、例外的に家畜化されていないのにコンパニオンアニマルとして飼育され、愛好家によって繁殖され、その種の背景や必要とする知識が無いにもかかわらずペットショップを通して飼い主やブリーダーに販売されています。
オランダの動物法では、世話人は動物に適切な栄養や医療を含む適切な世話をする責任があります。オウムの飼い主や多くのブリーダーは、鳥医に協力的ではなく、健康障害や行動障害の予防についてあまり相談したりしません。これは家畜化された動物の飼い主とは大きく異なっています。

Dr. Klaphake
オウムを飼うには、特定の注意点があります。私は、多くのチェーンペットショップが、オウムの購買欲を減らしていることに感謝しています。悲しいことに、多くのオウムが5歳になる前に6回から7回、飼い主が変わっています。私たちは、全てのサイズのオウムを動物園に寄付するための電話連絡を受け付けています。

Dr.Orosz
私が鳥医学の世界に入った1980年代初期、鳥医学は獣医界でエキサイティングな新しい分野でした。私たちは、彼らの解剖学や生理学、内科学、薬理学、外科学を理解することを急いでいました。私たちは、オウムとの愛着形成や良いペットにするためには、人の手で育てることは良いことであると確信していました。しかし今は、オウムをペットして飼うべきか、いくつかの疑問を感じています。人の手でオウムを育てたいという願望に対して、私たちは非常に注意深く、そして思慮深くなる必要があると思います。

Dr. Rich
私の個人的見解としては、全ての家畜化されたインコ・オウム類は、ペットとして受け入れられると思います。フィンチやカナリアのようなスズメ目鳥も素晴らしいペットになります。いくつかの種は、飼育に難題がありますが、ほとんどのペット鳥と人の愛着形成はできます。どのような人が良い飼い主であり、どの1羽飼いの鳥が良くないペットなのか、誰がどのように言うことができるのでしょうか?

Dr. Schnellbacher
オウムは、素晴らしいコンパニオンアニマルに成り得ます。彼らは、高度に訓練することができ、愛情深く、そしてもし適切に扱われたなら、世話人との非常に強い愛着形成をすることができます。彼は、非常に社会的で、知的な動物です。オウムの飼い主は、適切な知識を身につけ、20年から80年以上の生涯を通して彼らのニーズを満たす必要があります。

Dr. Speer
個人的には、適切なペットだと思います。私は、オウムをペットとして飼うことができると信じています。ただし適切な飼育と世話ができないのであれば、ペットとして飼うべきではないと思います。

*この後「もしオウムを飼うことがOKなら、飼い主の規制が必要か?(例えば許可書など)」とった議論が続きますが、今回はここまで。。

引用
Parrots: Appropriate Pets or Best Not Bred?
Journal of Avian Medicine and Surgery 30(3):286-297, 2016

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いかがでしたでしょうか?アメリカでも不適切な飼い方をする飼い主が多いことが問題になっているようです。これらの意見をまとめてみると、次のようになると思います。

「オウムは素晴らしいコンパニオンアニマルである。ペットとして飼っても良いが、そのためには飼い主は適切な知識を身につけ、生涯を通して適切な飼い方をしなければならない。」

今回はオウムについて議論していますが、これは全ての飼い鳥に対して言えることだと思います。もちろんオウムのように大型の鳥になるほど知性が高いため、飼育に要求されることは多いですが、小型の鳥でも適切な知識を学び、適切な飼い方をしなければならないのは同じです。適切な知識と飼い方を簡単に列挙すると下記のようになると思います。

適切な知識
・原産国
・生息地の環境と気候
・食性と栄養学
・身体的特徴(解剖学・生理学)
・排泄物の特徴
・配偶者の作り方(一夫一婦制か多夫制かなど)
・繁殖期と巣の特徴
・群れを形成し、社会性が強い
・餌や繁殖場所を求めて、広範囲に移動する
・仲間との頻繁なコミュニケーション(鳴き声とスキンシップ)が必要
・異常な外観や行動の意味など

適切な飼い方
・栄養のバランスを整える
・十分な運動スペースと時間の確保
・日光浴の実施
・規則正しい生活時間と安眠できる環境の提供
・適切な温度管理
・鳥と鳥、鳥と人との関係性を踏まえたメンタルケア
・体重測定を含む日々の健康チェック
・定期的なメディカルチェック
・今後の課題として(親・兄弟から早期に離さない、1羽飼いしない)

簡単に挙げただけでもこれだけのことを知識として持ち、実施しなければなりません。私たちも全ての鳥種別に情報を持っているわけではありませんが、常に情報に対して気を払っています。

インコ・オウム類のほとんどは、まだ家畜化されたとはいえません。家畜化とは、人為的な選択を行って交配させることで、人の目的に合った特徴を際立たせるよう遺伝子レベルで変化させることです。さまざまな品種が作出されたとはいえ、インコ・オウム類は、まだまだ野生の特徴を兼ね備えています。本来鳥は、行動範囲がとてつもなく大きく、飛ぶ動物です。彼らを捕らわれた環境(ケージ飼い)で飼っているという事実を今一度理解し、彼らの目線になった時にどんな環境や接し方が適切なのか、今後も議論していく必要があると思います。
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