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自律神経失調症様症状にご注意

鳥も自律神経失調症様の症状で元気がなくなることがあるので注意しましょう。

先日、4歳のセキセイインコの男の子が来院しました。最近元気と食欲が無くなり、羽根を膨らませているとのことで来院しました。身体検査、そ嚢液検査、糞便検査、レントゲン検査でも異常はありませんでした。生活温度を聞いてみると、昼間は人が居ないので暖房を入れておらず24℃くらい、夜は寒いと思いヒーターを入れて寝かせているため30℃とのことでした。

自律神経失調症の疑いがあると診断し、皮下点滴を行い、高圧電位治療を行なったところ、すぐに元気を取り戻して、帰宅時にはご飯を食べ出していました。

体温の調節は自律神経が行なっています。体温が下がると交感神経が働き、ノルアドレナリンが分泌され、末梢の血管を収縮させ体温の低下を防ぎます。体温が上がると副交感神経が働き、アセチルコリンが分泌されて、末梢血管を拡張させ体温を放出します。

飼い鳥は、外気温に比べて温度変化の少ない環境に居るため、温度変化に弱くなっています。つまり自律神経調節機能が下がってるわけです。また夜遅くまで起こしていることも、自律神経調節機能が下がる原因になっています。

このセキセイインコさんの場合、昼と夜とで6℃も差がついてしまっていました。通常、外気温は昼に上昇し夜は下がるので、温度変化が逆転してしまっていたわけです。自律神経は、昼は交感神経、夜は副交感神経が働きます。これは活動中は体温を上昇させ、寝る時には体温を下げるためです。このセキセイインコさんの場合、昼は寒いので体温を上げるために過剰に交感神経が働き、夜は暑いので体温を下げるため、過剰に副交感神経が働いていたと考えられます。

このように極端に自律神経が働かなければならない状態が続くと自律神経失調症となり、倦怠感や憂鬱な状態になります。鳥の場合、様々な検査ができないため、自律神経失調症の確定診断はできませんが、症状から疑うことができます。意外とこのような環境で飼っている方が多いと思いますので、温度変化をつけすぎないよう注意して下さい。決してずっと保温しなければならないとうことではないことに注意して下さい。室温が24℃でも、元気であれば夜も24℃で大丈夫ということです。

自律神経失調症の治療には、高圧電位治療が効果的です。全身の血流改善とともに自律神経のバランスを整える効果があります。不快感の改善にも効果があるので、毛引き症にも有効です

テーマ: 小鳥大好き | ジャンル: ペット